私は30歳の介護職員です。介護初任者研修を受け、資格を取得して介護施設で働いています。介護の仕事にはやりがいを感じていますし、上司とも比較的良好な関係を築けています。しかし、働いていく中で 待遇や職場環境、研修制度の不備 に不満を感じるようになりました。
特に 会社の研修制度の不十分さ は、職員間の知識や技術の差を生み、それが利用者さんへの影響に直結することがあると感じています。私自身、研修不足が原因で失敗を経験し、利用者さんに不安や負担をかけてしまったことがありました。
この記事では、 職場の研修制度に対する不満とその影響、そして転職を決意した理由 についてお話ししたいと思います。
1. 介護現場における研修の重要性と私の職場の実態
介護職は、 「ただお世話をする仕事」ではなく、専門的な知識や技術が求められる仕事 です。高齢者の身体状態に応じた介助の方法、認知症の方との適切な接し方、緊急時の対応など、多岐にわたる知識が必要です。
本来ならば、介護施設では定期的な研修を行い、職員全員が必要な知識を共有し、質の高い介護を提供できるようにすべきです。しかし、私の職場では研修制度がほとんど機能しておらず、 「とりあえず現場に出て仕事を覚えて」 という状態でした。
私の職場の研修制度の問題点は以下のようなものでした。
- 研修の回数が少ない
- 入社時の簡単なオリエンテーションのみで、実践的な研修はほとんどなし。
- 年に数回の座学研修があるが、内容が形式的で実務に直結しない。
- 研修の内容が統一されていない
- 先輩職員によって指導内容がバラバラ。
- 介助の仕方が職員によって違い、利用者さんが混乱することも。
- 最新の介護技術を学ぶ機会がない
- 介護業界は常に新しい技術や知識が出ているが、職員がそれを学ぶ機会がない。
- 例えば、腰を痛めない移乗技術や、認知症ケアの新しいアプローチなどを学ぶ場がない。
こうした状況の中で働いていると、「本当にこれでいいのか?」という疑問を持つようになりました。そして、この研修不足が 実際の介護現場での失敗や利用者さんへの影響 につながっていることを実感しました。
2. 研修不足が原因で起こった失敗と利用者への影響
私が特に強く「研修制度の問題」を意識したのは、ある利用者さんの 食事介助 をしていた時のことでした。
その利用者さんは 嚥下(えんげ)障害 があり、誤嚥(ごえん)のリスクが高い方でした。本来であれば、嚥下障害のある方への食事介助には特別な配慮が必要です。
しかし、私の職場では 嚥下障害に関する研修が一度も行われていなかった ため、私自身も明確な知識を持たないまま食事介助をしていました。結果として、 誤嚥を防ぐための適切な姿勢を取らせることができず、利用者さんがむせてしまう という事態が発生しました。
幸い、大事には至りませんでしたが、その時の利用者さんの不安そうな表情が忘れられません。私自身も「もっとしっかり勉強しておけばよかった」と強く後悔しました。
さらに、他の職員にも話を聞いてみると、 「嚥下障害について詳しく学んだことがない」という職員が多かった のです。介護の現場では、知識不足が 利用者さんの健康や安全に直接影響を与える ことを改めて痛感しました。
3. 研修不足による職場環境の悪化
研修制度が整っていないことで、 職員同士のコミュニケーションや連携にも悪影響 が出ていました。
① 新人職員がすぐ辞める
研修がしっかりしていないため、新人職員は 「右も左も分からないまま現場に放り込まれる」 状態でした。その結果、 「自分は仕事ができない」「周りに迷惑をかけている」 と感じてしまい、ストレスで辞めてしまう人が多かったのです。
② ベテラン職員の負担増
研修が機能していないため、 新人教育の負担がすべてベテラン職員にのしかかる ことになります。ベテラン職員も日々の業務で忙しく、新人教育にじっくり時間をかけられないため、結果的に 「教える余裕がない → 新人が育たない → 仕事が回らない」 という悪循環に陥っていました。
③ 介護の質がバラバラになる
職員ごとにやり方が違い、統一された介護ができていませんでした。例えば、利用者さんの 移乗の仕方、食事の介助方法、声かけの仕方 などが、職員によってバラバラでした。利用者さんにとっても 「昨日の職員と今日の職員で対応が違う」 というのは不安なことです。
4. 転職を決意した理由と新しい職場に求めるもの
このような状況を見て、私は 「もっと研修制度が整っている職場で働きたい」 と思うようになりました。
転職を決めた理由は以下の3つです。
- 研修制度が整っている環境で働きたい
- しっかりとした研修を受けてスキルアップしたい。
- 研修が充実している職場なら、新人教育もスムーズに進む。
- 職員同士が連携しやすい環境を求めて
- 職員全員が統一した知識を持っていることで、チームワークが良くなる。
- 研修を通じて職員同士の意識を共有しやすくなる。
- 利用者さんに安心してもらえる介護を提供したい
- 研修不足で利用者さんに不安を与えるようなことは避けたい。
- 質の高い介護を提供できる環境で働きたい。
5. まとめ
介護職は人の命や生活に関わる仕事だからこそ、 しっかりとした研修制度が不可欠 です。しかし、私の職場ではそれが整っておらず、結果として 利用者さんにも職員にも悪影響を及ぼしていました。
私はより良い環境を求めて転職を決意しました。これから介護職に就く方や、転職を考えている方の参考になれば嬉しいです。